岡田利規 作・本谷有希子 演出『掃除機』

奇抜な設定で家庭内の「引きこもり」を描き、ドイツで高い評価を得た岡田利規の話題作に、新たな視点で演劇を捉え始めた本谷有希子氏が挑む。

岡田利規が2019年ミュンヘン・カンマーシュピーレ劇場に書き下ろし自ら演出した作品『The Vacuum Cleaner』(ドイツ語上演)を、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演として、日本語により日本初演します。
「掃除機」に人格を持たせ、その目線から家庭内の「引きこもり」を描いた本作は、ドイツ演劇界で高い評価を得て、ドイツ・ベルリン演劇祭 テアタートレッフェンの“注目すべき10作品”にも選出されています。

演出は、近年文壇での活躍めざましい本谷有希子氏。暫く演劇界と距離を置いていた本谷氏は、2019年に自身の小説を舞台化する試みを始め話題を呼びました。これまでのセオリーから離れ、改めて言葉を立体化することに関心を抱いた小説家であり劇作家でありそして演出家である本谷氏が、岡田利規の台詞世界に挑みます。
80歳を超えた父親と、引きこもりの50代娘、無職の40代息子が同居する家族。そしてこの家族の停滞し続ける風景を長年見つめてきた掃除機。本作では、社会と折り合いのつかない中年家族が、鋭い筆致とユーモアで描かれます。
ユニークな設定で現代を鋭く表現する岡田利規の戯曲『掃除機』と、新たな視点で演劇に向き合う演出家・本谷有希子氏の競演が実現します。

上演は2023年3月初旬、KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオを予定しています。

KAAT神奈川芸術劇場2022年度 ラインナップ
https://www.kaat.jp/news_detail/1925