岡田利規

1973年横浜生まれ、熊本在住。
演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰。

演劇作家、小説家、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」主宰。 その手法における言葉と身体の独特な関係が注目される。2007年『三月の5日間』でブリュッセルの国際舞台芸術祭、クンステン・フェスティバル・デザールに参加。この初の海外公演以降、国内のみならず、アジア・欧州・北米・南米あわせて90都市以上で作品を上演し続けている。 2016年からはドイツの公立劇場レパートリー作品の作・演出も継続的に務める。2020年『掃除機』(ミュンヘン・カンマーシュピーレ)および2022年『ドーナ(ッ)ツ』(ハンブルク、タリア劇場)でベルリン演劇祭(ドイツ語圏演劇の年間における“注目すべき10作”)に選出。 タイの現代小説をタイの俳優たちと舞台化した『プラータナー:憑依のポートレート』で第27回読売演劇大賞・選考委員特別賞を受賞。能のナラティヴの構造を用いた『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』(KAAT神奈川芸術劇場)で第72回読売文学賞・戯曲・シナリオ賞及び第25回鶴屋南北賞受賞。2021年には『夕鶴』(全国共同制作オペラ)で歌劇の演出を手がけた。 小説家としては、2007年に『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(新潮社)を刊行。第2回大江健三郎賞受賞。2022年に『ブロッコリー・レボリューション』(新潮社)で第35回三島由紀夫賞および第64回熊日文学賞を受賞。

Chelfitsch

岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。独特な言葉と身体の関係性を用いた手法が評価され、現代を代表する演劇カンパニーとして国内外で高い注目を集める。その日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性は時にダンス的とも評価された。07年ヨーロッパ・パフォーミングアーツ界の最重要フェスティバルと称されるクンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にて『三月の5日間』が初めての国外進出を果たして以降、アジア、欧州、北米にわたる90都市以上で上演。11年には『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』が、モントリオール(カナダ)の演劇批評家協会の批評家賞を受賞。 近年は、世界有数のフェスティバル・劇場との国際共同制作により、『現在地』(12年)、『地面と床』(13年)、『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』(14年)、『部屋に流れる時間の旅』(16年)『三月の5日間』リクリエーション(17年)を発表。つねに言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、既存の演劇手法に捉われない表現を探求しており、18年には映像によって演劇的空間を立ち上げる展示/上演『渚・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉』(熊本市現代美術館)を制作・発表。19年から20年にかけては美術家・金氏徹平をセノグラフィーに迎え、『消しゴム山』(KYOTO EXPERIMENT 2019)と『消しゴム森』(金沢21世紀美術館)を制作。引き続き「映像演劇」の手法を用い、ひとつのコンセプトをふたつの異なる空間で発表している。