岡田利規 x Pig Iron Theatre Company『ZERO COST HOUSE』 横浜公演

https://www.tpam.or.jp/2013/showing/tpamdirectionplus/759/

TPAMディレクションPlus 参加作品
岡田利規 (チェルフィッチュ)x Pig Iron Theatre Company(アメリカ)国際共同製作作品
『ZERO COST HOUSE』

共同製作の経緯
2008 年に来日した、ピッグアイロン・シアターカンパニーの演出家ダン・ローゼンバーグが、チェルフィッチュの演出家岡田利規の演出に深い興味と理解を示したのをきっかけに交流が始まり、2010 年3月、ニューヨークの演劇カンパニー「Play Company」の公演において、岡田利規の作品「ENJOY」をダン・ローゼンバーグが演出した。この作品は現地でも高い評価を得、これをきっかけとして両者は互いの演劇活動に理解を深め、その後も幾度かのディスカッションを重ねて今回の国際共同製作の実現にいたった。今作の製作過程では、岡田利規と坂口恭平の案内による東京、熊本、別府でのリサーチツアーや、のべ2ヶ月にわたる共同リハーサルなどを通じて、脚本を担当した岡田利規と演出家ダン・ローゼンバーグ、そして俳優、スタッフが一体となって一つの作品を作り上げた。2012年9月にアメリカで初演され、これが日本初演となる。

作品内容
今回、岡田が題材としたのは、森での暮らしと自然の素晴らしさを新鮮な感覚で綴った19世紀のアメリカ文学『森の生活(ウォールデン)』(1854年/ヘンリー・デイビッド・ソロー著)と、都市の路上生活者の生活とその知恵を参照しながら、新たな視点で都市に溢れる多層的かつ潜在的な生活の可能性を示した『ゼロから始める都市型狩猟生活』(2010年/坂口恭平著)に著される思想。岡田は、過去の自分と現在の(=震災後の)自分を登場させ、ここに表されるオルタナティブな生活のあり方に関する思想を、どう受け止めて来たのか、そしていまどう受け止めているのかという自身の姿を通して、震災後の社会をどう生きるのか、ユーモアを交えながらもシビアに問題を提起する。ソローや坂口恭平その人も役柄として描かれ、過去と現在、国や社会を飛び越えて演じられる、多層的な物語世界。しかし、それは確実に現実のわたしたちが対面している、わたしたちの生き方に対する大きな問いかけとして現れる。震災とその後の原発事故によって生じた社会状況の変化そのものや、それに対する応答として「岡田利規」や「坂口恭平」といった実在の人物の役柄を通してアメリカ人俳優が語るという構造は、震災後約2年を経た社会状況を捉える新たな視座を観客に提示し、想像させうる意義をもっている。

あらすじ
「劇作家・岡田利規」を主人公に、19世紀アメリカの作家ヘンリー・デイビット・ソロー『森の生活』と、日本人現代作家・建築家の坂口恭平『ゼロから始める都市型狩猟生活』に著される、「生活」に関する思想を題材に物語は紡がれる。過去の岡田利規と現在の岡田利規が登場し、ソローや坂口恭平に出会うことによって、岡田本人が東日本大震災によって大きく影響された自身の「生活」についての思考の変遷をたどる物語。実在の人物を描きつつ、「生活」という普遍のテーマと震災後の日本の状況をアメリカ人俳優が演じるという、現在的な試みに満ちている。

巡回先スケジュール

クレジット

演出:ダン・ローセンバーグ
脚本:岡田利規
翻訳:アヤ・オガワ
出演:メアリー・マックール、シャヴォン・ノリス、ジェイムズ・サッグ、アレックス・トーラ、ディト・ヴァン・ライ
ガーズバーグ
美術:ミミ・リエン
衣装:マイコ・マツシマ
音響:ケイティ・ダウン
照明:ピーター・ウェスト
技術監督:鈴木康郎
舞台監督:中原和彦
音響:原嶋康平
照明:中山奈美
字幕製作:長島確
字幕操作:門田美和
宣伝美術:小田島等
主催:precog、国際舞台芸術ミーティング in 横浜2013実行委員会
助成:公益財団法人セゾン文化財団、Mid Atlantic Arts Foundation
協力:NPO法人BEPPU PROJECT
企画・制作:precog

Toshiki Okada x Pig Iron Theatre Company "ZERO COST HOUSE" in Yokohama

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